2012年1月9日月曜日

SOEKS-01Mによる「越谷総合公園」から「流山市総合運動公園」までの極私的放射線測定

2011年3月の震災が原因で起きた原子力発電所の事故。それから放射能に興味を持ち、放射線を測れるという「ガイガーカウンター」を買った、そんな人は多いのではないだろうか。僕もそのうちのひとりだ。

自分へのクリスマスプレゼントとして、さんざん悩んだ末に選んだのは、アマゾンの1万円代ガイガーカウンターで一番人気だった「SOEKS-01M」。届いてからネットで調べてみると「アルファ線を遮断したほうがよい」とのことだったので――実はよくわかっていなかったのだが、近くのホームセンターで買ってきた、5ミリくらいの厚さのアルミ・アングルと金鋸で格闘、アルファ線遮蔽箱を自作したりもした

しばらく家の周りや会社周辺を測ってみて、この機器の使い方や数値の感じがつかめてきたので、少し遠乗りをして放射性物質の分布を自身で感じてみようと思い立った。 埼玉の自宅近くにある「越谷総合公園」から、あるていど放射線量が高いとされている「三郷」を経由し、千葉県の「流山市総合運動公園」までの道のりを自転車で測定してみた。

スマートフォン(HTC Aria S31H)に、GPSロガー・アプリケーション「My Tracks」をインストールし移動経路を記録。また3分ごとに自転車を止めて地上約1mの位置で計測し、経路と併せてMy Tracksに記録していった。

下記はMy Tracksで作成したKMLデータをGoogleマイマップにインポートしたもの。アイコンの数値は「0.」を省略してある。単位は「マイクロシーベルト/毎時(μSv/h)」だが、あくまで「SOEKS-01M」の数値であることを念頭に置いてほしい(目安程度に)。 

(より大きな地図で 「越谷総合公園」から「流山市総合運動公園」までの放射線測定 を表示)

比較的に線量が低いとされているスタート地点の埼玉県越谷市は、SOEKS-01M(低線量下で高い数値を出す傾向にある)で「0.15」くらいが平均と考えていただきたい。(出発地点で平均よりやや高い線量である「0.22」を記録するが、これはたぶん機器のミスだと思っている)

吉川駅までは我が家周辺で見慣れた平均値、「0.13~0.16」の間をゆらゆらしている。吉川駅を過ぎて三郷に向かおうと自転車を走らせていくと、歩道の無い、車の通りの激しい狭い道が現れる。あらかじめ調べておいた経路どうりに進むならばその道を自転車で進まねばならないが、車にひかれるのはいやなので田んぼ道に入る。


田んぼの畦道で測ってみると「0.19」という少し高い数値が出る。水はけの良いアスファルトの道よりも、田んぼの畦道の方が線量が高くなるのだろうと考えたが、その後アスファルトの道に入っても線量は徐々に上がりはじめた。新三郷に入ると「0.20」を超えることが多くなり、三郷駅を過ぎると「0.25」あたりが平均に。

「千葉県へようこそ!」という看板に迎えられて千葉県の流山市へ。測定のゴール地点と定めた「流山市総合運動公園」へ到着。公園の中は、ちょっとした山みたいになっていて、登っていくとドンドン線量が高くなってく感じがする。砂場付近で最大の「0.42」を測定した。

この測定から何か新たな発見があるわけではないが、僕はずっと放射能を実感したいと思っていた――だから、「文部科学省の放射線等分布マップ」と見比べてみて、あるていど妥当な数値を得ていることがわかり、個人として実感に満ち満ちた測定結果に満足している(ものすごく疲れたけど)。そして今回の測定で得た数値がどのような意味を持つのか、それはこれからじっくりと考えていくつもり。

放射性物質はたぶん――「あるところにはあるし、ないところにはない」―― あたりまえで変な言葉だけれど、今はそれを信じるのすら困難だと思う。だから、怖がるべき人がいて、怖がらなくていい人もいる。今はそれを国中の人たちで考えていく時期だと思っている。

怪獣か猛毒のように言われている放射性物質、そしてソレから放出される得体の知れない放射線。何も起こらなかったら興味を持つこともなかっただろう。でもどんな因果かは知らないがソレは起きてしまって、そしてソレがまた起きるかも知れないことを僕らは知ってしまった。ならばソレが感じられる今のうちに、ソレを、できるだけ感じておきたいと僕は思っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿