2012年1月15日日曜日

マイクロホットスポット

アサヒコムの『東京・板橋の公園でラジウム「放射線障害の恐れない」』というタイトルの記事を読んで少し首を傾げる。

東京板橋区の公園で高い放射線量を検出し、調べてみると土が放射性物質「ラジウム226」に汚染されていたという。この出来事、住民からの連絡で調べたというのだけれど、検出されたのは「20センチ四方の範囲で毎時0.23マイクロシーベルト」。

http://www.asahi.com/national/update/0113/TKY201201130443.html

測定したのが地上からどのくらいの高さだったのかわからないが(測定の高さと線量計の種類は、判断材料として重要なので、できれば記事に含めてほしい)、毎時0.23マイクロシーベルトならば関東でも埼玉や千葉の一部地域では、それ以上の空間線量が検出されている。しかも「「20センチ四方」というひじょうに狭い範囲だ。そんなに大した線量じゃないと思うのは僕だけだろうか?どうも、これがニュース記事として成り立つことに疑問を感じてしまうのだ。

また同じように、直置きまたは地上5cmほどの高さから計測している写真を添えた「雨どいの出口で毎時○○マイクロシーベルト!!」という驚きの言葉にも、同じように疑問が沸き起こってくる。

どうやら、このような狭い範囲である程度高い放射線量が検出された場所を「マイクロホットスポット」と呼ぶらしいのだが、その影響はどれ程のものなのだろうか?

あまり線量が高くないとされている自宅「雨どい出口」で計測してみても、毎時0.5マイクロシーベルトくらいは出る。しかし、10cmも離れると通常の空間線量とさほど変わらなくなってしまう――だから「マイクロホットスポット」の報告をする時は同じ場所で地面1mの高さで測った線量も添えると、また違った解釈を得られるだろう。と思ったので自分でやってみることにした。

どこか観察できる場所をと「測ってガイガー」で探してみると、そう遠くない駅の周辺に「毎時5マイクロシーベルト/地上5cm」の値が投稿されている場所を発見する。どうやら駅に隣接する商業施設の「雨どい出口」らしい。

さっそくその場所に行って測ってみることに。しかし、地面に直付けでもせいぜい毎時2マイクロシーベルトほどの値しか出ない――それでも初めてみる「DANGEROUS RADIATION BACKGROUND」(SOEKS-01Mで毎時1.2マイクロシーベルト以上を検出すると表示される)という赤文字表示に多少ビビリながら、商業施設雨どい二つ(AとB)をSOEKS-01Mで計測してみたのが下記である。

地上直置き。雨どいA「2.02」、B「1.56」。
マイクロホットスポットと呼ぶのに十分な数値である。

地上からの高さ約5cm。雨どいA「1.26」、B「0.74」。

地上からの高さ50cm。雨どいA「0.44」、B「0.43」。
50cm離れると半分以下になる。

地上からの高さ1m。雨どいAB共に「0.30」。
この値はこの周辺の空間線量(もともと高い)と同程度。

単位表記がないものはすべてマイクロシーベルト毎時。この結果は、あまり時間をかけていない計測で、またあくまで低価格のガイガーカウンターSOEKS-01Mがはじき出した数値であることに十分ご留意いただきたい。


明日は、『放射能情報とガイガーカウンターのホント』というイベントに行ってみる予定です。

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