2012年1月26日木曜日

「おかんのガイガーカウンター」の問題点


昨日ツイッター経由でみつけたWEBサービス「おかんのガイガーカウンター」には、さまざまな問題があるように思う。

このサービス、携帯端末からアクセスした場合はGPSの情報を取得し、現在地の放射線量を表示されるようになっている。また、PCなどGPSが使えない端末からアクセスした場合には、直接住所を入力することで同機能が実現できるようにもなっている。

僕はまずPCからアクセスして自宅住所「埼玉県越谷市」と入力してみた。すると出てきたのは「0.1 μSv/h」という、なんとも微妙な放射線量、そして「このあたりは線量だけ見たら安全やな。」というメッセージ。

この結果ページを見ても、この測定値がどのようなものなのか?つまり、どんな放射線測定器を使い、どのような測定方法で、地表からどのくらいの距離で測定されたのかといった、判断材料となりうる基本的な情報の記載がまるで無い。

この情報元はなんなのだろう?とページを探してみると、『機能説明』のページに「本サービスは、放射線量に関わる情報を、Twitterなどで公開されている投稿等を参考にして探し出します。」とあるのを発見――ツイッターの投稿情報か…――と唖然として結果ページに戻ってみると、[詳細]というリンクがあり、そこからデータとして採用されたツイートにリンクされるようになっていた。

色々な住所を入力して調べてみると「大宮で0.76μSv/h」とか、あり得ない数値がいくつかでてくる。詳細を見てみると「3月15日の数字」だったり「植込地表5cm」だったり…。たぶん、このようなデータは他にも沢山あるだろう。

測定器も、測定方法も、地表からの距離も、まるでバラバラの測定値を持ってきて、それを何らかの基準となる数値と比べて評価してみても、なんの意味も成さないだろう――というか、たとえ「おかん」と言えど、こんなバラバラな数値で「評価しちゃってる」事に驚きを隠せない。

これを真に受けて怖がってしまう人もいるだろうことを考えると、もっとこのサービスの事と、提出される数値/評価に対するアナウンスが必要であるように思えてならない。

僕も、アマチュアの放射線測定愛好家の端くれであるから、アマチュアが放射線を測定すること自体を否定することはしない。今のこのような状況下において、放射線を自分で測定することによって得られる「実感」は、放射線に対して大きな理解が得られる手段だと思っている。

だからこの「おかんのガイガーカウンター」には、せめてデータ元が「ツイッターの投稿」であること、「あてになるようなデータではない」ことを、もっと明確に表示していただきたい、と望むのである。

2012年1月24日火曜日

雪、鉛214やビスマス214、またはオーロラと宇宙線

2012/01/24 01:21
昨日の夜、雪の日には放射線量が高くなる傾向があるというので、帰りの道すがらガイガーで計測してみる。が、そんな大した変化は見られない。

家にたどり着いて玄関をカギで開けるために、ガイガーをしまおうとしたときフト表示を見ると、0.50超えのなんだかあり得ない数字が飛び込んできた。なんだ?なんだ?と、しばらくそのまま見続けるが数値はその後すぐ平常値に。

我がSOEKS-01Mの平常値は「0.10~0.16」くらい。

2012/01/24 01:04
気になったので家の中でも計測を続ける。すると突発的に0.50に近い数値を弾き出してまたすぐ平常値に戻るといった挙動を、ある程度の間隔で繰り返しているように見える。

雨や雪が降ると空間放射線量があがる。なぜか?――自然放射性物質「ウラン」は時間が経つと「ラドン222」に変わり地中から放射される。そしてそのラドン222はまた変化して「鉛214やビスマス214」に変化し(忙しいなw)、大気中を浮遊することになる。これがたぶん「自然放射線」の線源だ。そして雨や雪はそれを付着させて降り、地上に溜まるから線量が高くなる。ということらしい。[参考]

ガイガーの変な挙動は雪のせいだろうか?もし雪のせいであるならば、空間線量の増加として平均的な数値があがるはずであろう。そもそも、いくらガンマ線が物をよく通すからといって、雪が降ったくらいで部屋の中まで影響あるの?

「何かヘンだぞ、ヘンだぞ」とつぶやきながら数値をエンピツで紙に記録していく。そしてもうひとつ、この挙動の理由になるかもしれないニュースのことを思い出した。

【速報】1月24~25日に日本でオーロラが見られるかも! 博士「大フレアが発生しコロナ質量放出が高速で飛びだした」 – ロケットニュース24(β)

ここ数日間、なんと太陽フレアの活性化による磁気嵐の影響で、もしかしたら日本でもオーロラが観測される可能性があるというのだ。そしてそれは普段より多くの宇宙線が降り注ぐということも意味しているらしい。これの影響ではないのか?(太陽フレアは22日に発生し、粒子の地球磁場への衝突は25日まで続く見通し

太陽放射線のムービー

まあでも、この安物ガイガーカウンター「SOEKS-01M」君の誤動作という可能性が一番高いとも思うのだが(笑)、朝、まだ気になっていたので測り続けてみるも、夜中のように突発的に数値があがるようなことはなかった。

なんなんだろ?


2012年1月16日月曜日

鳴き合わせてきましたピヨピヨ――『放射能情報とガイガーカウンターのホント』


前のエントリーで予告してあった通り、京急蒲田駅近くにある大田区産業プラザPIOで行われたイベント『放射能情報とガイガーカウンターのホント』に行ってきた。このイベントは「大田区の子どもの健康を放射能から守る会」が主催したもので、放射能のイベントとして地域が主催するのは、これが初めてであるらしい。

地域が主催したイベントということで、子どもや赤ちゃんをつれた観客も多く、途中ガイガーカウンターによる放射線測定の正しい方法を主催者による着ぐるみの寸劇で説明してみたりと、不穏な放射能をテーマとしたイベントであるにも関わらず終始なごやかな雰囲気のイベントだった。


なんだか放射能の話というのは、かしこまって真面目な顔して深刻そうに話し、最後には涙の一粒や二粒落とさないと収まりがつかないような雰囲気があるような気がするが(当社比)、それはどうもあんまり良いことだとは思えない。そのような雰囲気は人を遠ざけ無関心を呼び寄せるような気がするからだ。だから、このようなイベントが成立したことは、それだけで成功だったと僕は思っている。

イベントは午前10時に始まり、第一部は『ガイガーカウンター鳴き合わせ&ベクレルモニタ測定実演』。

第二部は『ガイガーカウンターの正しい知識』という主催者による着ぐるみの寸劇(これは素人のパパママが作ったとは思えないほど…でもないけど、なかなかなクオリティだった)。

第三部は、まず高エネルギー加速器研究機構の素粒子原子核研究所教授でツイッターでも人気の物理学者、野尻美保子先生による『放射線測定の何に気をつけるか―市民と行政と企業―』と題された講演。

そして慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師で「こどもたちを放射能から守る科学者ネットワーク」の活動にも関わっている斉藤賢爾先生による『放射能情報とメディアリテラシー―そしてすべてを吹き飛ばす子どもたち―』と題された講演。

最後にジャーナリストの津田大介が司会進行で入って質疑応答形式のパネルディスカッションで終了となった。

ベクレルモニタ測定の結果
各詳細は、公式告知ページとこのイベントが中継されたユーストリームで公開されているアーカイブを見ていただくこととして、僕はこの日一番の関心事であった第一部の『ガイガーカウンター鳴き合わせ』、つまりガイガーカウンターの校正会のことを書いておこうと思う。

この「鳴き合わせ」とは、校正済みの線量計で測定した標準値と、持参したガイガーカウンターなりの線量計の値をくらべることで、マイ線量計の「くせ」を知ろうという主旨のもの。

原発事故以降、僕たちは「放射線をガイガーカウンターなどの線量計で、個人単位で測ることができる」という選択肢を得ることになった。それはあまり良いことじゃないかもしれないけど、放射線はたしかにココソコにあって、これはもうしょうがないです。

しょうがないならば、しょうがないなりに正しい数値で正しい判断を得たいのだけれど、ガイガーミューラー管やシンチレーションなど、その線量計が採用する方式や個体差によって、なんだかどうも、測定される値がみんなバラバラらしいのだ。

僕も低価格なガイガーカウンターを購入し放射線測定のフィールドワークをするようになってから、自分の線量計が出す数値が、他と比べてどうなんだろうという事が気になってしかたがなかった。かといって他の機器と比べることは個人では難しいことなので、この「鳴き合わせ(校正)」会の案内を見て飛びついたわけである。

「鳴き合わせ」の方法は至って簡単で、中心に線源(セシウム137の1.02メガベクレル)が置いてあり、そこから30cm、60cm、90cmの同心円が引かれている。その3つの位置に自分の線量計を置いて測っていく。そしてそれぞれの距離の、TN100という70万円くらいする日本製の線量計が出した標準値と比べるのである。
鳴き合わせテーブルのレイアウト
様々な線量計の測定値を見ることができた

喜び勇んで「鳴き合わせ」を実行した結果は思わぬものだった。

30cm | SOEKS-01M:0.60μSv/h | 標準値:1.060μSv/h
60cm | SOEKS-01M:0.31μSv/h | 標準値:0.319μSv/h
90cm | SOEKS-01M:0.17μSv/h | 標準値:0.163μSv/h

これまで僕のガイガー「SOEKS-01M」は、低い線量下では正しい数値を示さず、やや高めの数値をはじき出し、線量が高くなる毎に正常な値に近づいていくといった感じだと思っていた。しかしこの結果を見る限りまるで逆なのだ。(前エントリーで、5μSv/h測定された場所にいって測ってみたら2μSv/hしか出なかったのは、もしかしたらこのガイガーのせいかもしれない…)

本当の線量より低い線量を出すなんて、なんて御用なマイガイガー(涙)。

これがSOEKS-01Mの標準的な数値なのか(違うだろうなー)、それとも個体差なのか(不良品だったりしてorz)、たまたまだったのか、今のところよくわからない。後日、各線量計の集計結果が「大田区の子どもの健康を放射能から守る会」で公開されるらしいので、それを見ればある程度判断することができるかもしれない。また、「鳴き合わせ」する次の機会を得ることができたら再度参加してみるつもりである。

あと、もしかしたら個人でもこの「鳴き合わせ」をすることが可能であるかもしれないので、これは時間がある時にじっくり書いてみたい。

結局のところ「鳴き合わせ」は、大雑把な比較しかできないので「校正」ということにはならないかもしれない。でも自分の線量計が必ずしも正しい数値を出していないということが実感できるし、様々な線量計がはじきだす数値を見て比べることができるので、放射線測定に対するリテラシーが養われることは間違いないだろう。そしてそれこそが大切なことなのと僕は思っている。

公式告知ページ
http://ootaku-savechild.info/0115gcm.html

ユーストリーム(アーカイブ)
http://www.ustream.tv/channel/gcm115

標準値を決めたTN100

2012年1月15日日曜日

マイクロホットスポット

アサヒコムの『東京・板橋の公園でラジウム「放射線障害の恐れない」』というタイトルの記事を読んで少し首を傾げる。

東京板橋区の公園で高い放射線量を検出し、調べてみると土が放射性物質「ラジウム226」に汚染されていたという。この出来事、住民からの連絡で調べたというのだけれど、検出されたのは「20センチ四方の範囲で毎時0.23マイクロシーベルト」。

http://www.asahi.com/national/update/0113/TKY201201130443.html

測定したのが地上からどのくらいの高さだったのかわからないが(測定の高さと線量計の種類は、判断材料として重要なので、できれば記事に含めてほしい)、毎時0.23マイクロシーベルトならば関東でも埼玉や千葉の一部地域では、それ以上の空間線量が検出されている。しかも「「20センチ四方」というひじょうに狭い範囲だ。そんなに大した線量じゃないと思うのは僕だけだろうか?どうも、これがニュース記事として成り立つことに疑問を感じてしまうのだ。

また同じように、直置きまたは地上5cmほどの高さから計測している写真を添えた「雨どいの出口で毎時○○マイクロシーベルト!!」という驚きの言葉にも、同じように疑問が沸き起こってくる。

どうやら、このような狭い範囲である程度高い放射線量が検出された場所を「マイクロホットスポット」と呼ぶらしいのだが、その影響はどれ程のものなのだろうか?

あまり線量が高くないとされている自宅「雨どい出口」で計測してみても、毎時0.5マイクロシーベルトくらいは出る。しかし、10cmも離れると通常の空間線量とさほど変わらなくなってしまう――だから「マイクロホットスポット」の報告をする時は同じ場所で地面1mの高さで測った線量も添えると、また違った解釈を得られるだろう。と思ったので自分でやってみることにした。

どこか観察できる場所をと「測ってガイガー」で探してみると、そう遠くない駅の周辺に「毎時5マイクロシーベルト/地上5cm」の値が投稿されている場所を発見する。どうやら駅に隣接する商業施設の「雨どい出口」らしい。

さっそくその場所に行って測ってみることに。しかし、地面に直付けでもせいぜい毎時2マイクロシーベルトほどの値しか出ない――それでも初めてみる「DANGEROUS RADIATION BACKGROUND」(SOEKS-01Mで毎時1.2マイクロシーベルト以上を検出すると表示される)という赤文字表示に多少ビビリながら、商業施設雨どい二つ(AとB)をSOEKS-01Mで計測してみたのが下記である。

地上直置き。雨どいA「2.02」、B「1.56」。
マイクロホットスポットと呼ぶのに十分な数値である。

地上からの高さ約5cm。雨どいA「1.26」、B「0.74」。

地上からの高さ50cm。雨どいA「0.44」、B「0.43」。
50cm離れると半分以下になる。

地上からの高さ1m。雨どいAB共に「0.30」。
この値はこの周辺の空間線量(もともと高い)と同程度。

単位表記がないものはすべてマイクロシーベルト毎時。この結果は、あまり時間をかけていない計測で、またあくまで低価格のガイガーカウンターSOEKS-01Mがはじき出した数値であることに十分ご留意いただきたい。


明日は、『放射能情報とガイガーカウンターのホント』というイベントに行ってみる予定です。

2012年1月12日木曜日

Radioactive material for our side~ガイガーカウンターを買うつもりじゃなかった


人生というのは予期せぬことが度々起こるもので、僕たちはいつだってそれに翻弄され続けるのだろう。

と、何となく渋谷系っぽく語ってみたが、このエントリーのタイトルの元になっているフリッパーズ・ギターのファーストアルバム『three cheers for our side〜海へ行くつもりじゃなかった』('89)を聴いていた90年代初頭、最近やけにその頃が思い出される。

その少し後に大地震(阪神大震災)と殺人毒ガス(オウム事件)に怯えることになるなんて思いもしていない、バブルが崩壊してもまだそれを信じられぬままの浮かれ調子な――そんな日々はどこか、2011年3月11日以前の日々のカリカチュアのようだからかもしれない。

また書いていて気付いたのだが、1995年も2011年も、「大地震」と「目に見えない物質」がセットとなっているというのは、なんとも皮肉なシンクロニシティではあるまいか。まあ、たんなる質の悪いこじつけ以外の何ものでもないが、これから活躍したい予言者諸氏は是非ともこの法則を採用してもらいたい。

こじつけと言えば、「Radioactive material for our side」というのもこじつけで、たぶん英語として意味が通ってないように思う。つまりは「我々の側には放射性物質がある」ということを言いたいわけである。

買う予定なんてまったくなかったガイガーカウンターを傍らに置いて、このエントリーを書いた。


2012年1月9日月曜日

SOEKS-01Mによる「越谷総合公園」から「流山市総合運動公園」までの極私的放射線測定

2011年3月の震災が原因で起きた原子力発電所の事故。それから放射能に興味を持ち、放射線を測れるという「ガイガーカウンター」を買った、そんな人は多いのではないだろうか。僕もそのうちのひとりだ。

自分へのクリスマスプレゼントとして、さんざん悩んだ末に選んだのは、アマゾンの1万円代ガイガーカウンターで一番人気だった「SOEKS-01M」。届いてからネットで調べてみると「アルファ線を遮断したほうがよい」とのことだったので――実はよくわかっていなかったのだが、近くのホームセンターで買ってきた、5ミリくらいの厚さのアルミ・アングルと金鋸で格闘、アルファ線遮蔽箱を自作したりもした

しばらく家の周りや会社周辺を測ってみて、この機器の使い方や数値の感じがつかめてきたので、少し遠乗りをして放射性物質の分布を自身で感じてみようと思い立った。 埼玉の自宅近くにある「越谷総合公園」から、あるていど放射線量が高いとされている「三郷」を経由し、千葉県の「流山市総合運動公園」までの道のりを自転車で測定してみた。

スマートフォン(HTC Aria S31H)に、GPSロガー・アプリケーション「My Tracks」をインストールし移動経路を記録。また3分ごとに自転車を止めて地上約1mの位置で計測し、経路と併せてMy Tracksに記録していった。

下記はMy Tracksで作成したKMLデータをGoogleマイマップにインポートしたもの。アイコンの数値は「0.」を省略してある。単位は「マイクロシーベルト/毎時(μSv/h)」だが、あくまで「SOEKS-01M」の数値であることを念頭に置いてほしい(目安程度に)。 

(より大きな地図で 「越谷総合公園」から「流山市総合運動公園」までの放射線測定 を表示)

比較的に線量が低いとされているスタート地点の埼玉県越谷市は、SOEKS-01M(低線量下で高い数値を出す傾向にある)で「0.15」くらいが平均と考えていただきたい。(出発地点で平均よりやや高い線量である「0.22」を記録するが、これはたぶん機器のミスだと思っている)

吉川駅までは我が家周辺で見慣れた平均値、「0.13~0.16」の間をゆらゆらしている。吉川駅を過ぎて三郷に向かおうと自転車を走らせていくと、歩道の無い、車の通りの激しい狭い道が現れる。あらかじめ調べておいた経路どうりに進むならばその道を自転車で進まねばならないが、車にひかれるのはいやなので田んぼ道に入る。


田んぼの畦道で測ってみると「0.19」という少し高い数値が出る。水はけの良いアスファルトの道よりも、田んぼの畦道の方が線量が高くなるのだろうと考えたが、その後アスファルトの道に入っても線量は徐々に上がりはじめた。新三郷に入ると「0.20」を超えることが多くなり、三郷駅を過ぎると「0.25」あたりが平均に。

「千葉県へようこそ!」という看板に迎えられて千葉県の流山市へ。測定のゴール地点と定めた「流山市総合運動公園」へ到着。公園の中は、ちょっとした山みたいになっていて、登っていくとドンドン線量が高くなってく感じがする。砂場付近で最大の「0.42」を測定した。

この測定から何か新たな発見があるわけではないが、僕はずっと放射能を実感したいと思っていた――だから、「文部科学省の放射線等分布マップ」と見比べてみて、あるていど妥当な数値を得ていることがわかり、個人として実感に満ち満ちた測定結果に満足している(ものすごく疲れたけど)。そして今回の測定で得た数値がどのような意味を持つのか、それはこれからじっくりと考えていくつもり。

放射性物質はたぶん――「あるところにはあるし、ないところにはない」―― あたりまえで変な言葉だけれど、今はそれを信じるのすら困難だと思う。だから、怖がるべき人がいて、怖がらなくていい人もいる。今はそれを国中の人たちで考えていく時期だと思っている。

怪獣か猛毒のように言われている放射性物質、そしてソレから放出される得体の知れない放射線。何も起こらなかったら興味を持つこともなかっただろう。でもどんな因果かは知らないがソレは起きてしまって、そしてソレがまた起きるかも知れないことを僕らは知ってしまった。ならばソレが感じられる今のうちに、ソレを、できるだけ感じておきたいと僕は思っています。